2013年出雲キルト美術館冬季企画展「艶椿」展―春を告げる神の依代―2012年12月13日(木)−2013年3月19日(火)

寒い冬に常緑で日陰でも花を咲かせる花、椿。
その厚く艶やかな葉は生命の象徴であり
長寿の木と古人は言い伝えました。
そしてその強く、けなげな美しさは古来より愛され、
また神の依代となり春の訪れを告げる木とされていました。
島根に縁の深い花、椿。
春を待ちわびながら
室礼とともに布で表現された椿の世界をご覧くださいませ。
八幡垣睦子

*依代ー心霊が現れるときに宿ると考えられているもの

 
いずも朱鷺
いずも朱鷺 (2010年 230×320)
特別天然記念物のトキは、かつて出雲の地でも頻繁に見られた鳥でした。
環境の変化により日本産は2003年に絶滅・・・
島根県はトキをはじめ、共生する動植物の環境づくりに動き出しました。
トキが再び出雲の地で美しく舞う姿に想いを込めた作品です。
 

寒紅〜四季シリーズ/冬〜
(1999年 220×230cm)

厳寒の冬に凛として咲く寒椿。
1000枚からなる長方形の
無彩色のステージに、
けなげな姿を縮緬の紅色で
散りばめました。
裾は花嫁の打ち掛け仕上げです。

寒紅〜四季シリーズ/冬〜
 
 

もともと椿は春の華ですが、寒い冬の間に早咲きする椿を「寒椿」あるいは「冬椿」と呼んでいます。寒風が吹いたり雪が降る中で、赤や白のいろとりどりの椿を見つけると、美しさもさることながら、その生命力に心揺さぶられます。八重垣神社の夫婦椿をはじめ島根県にとても縁の深い花と言えるでしょう。寒椿は負を跳ね飛ばすような凛とした強さが感じられ人々を魅了します。今回は「椿」に焦点をあて、いろいろな視点から空間全体でお楽しみいただけると幸いです。
艶椿
艶椿